最近【小児慢性疲労症候群】という言葉を聞きます。
熊本大学附属病院では、昼間に太陽の光にあたり、低温サウナで体温を上昇させています。
こうして血行を促進させ、頭の熱を発散することにより、夜に深い眠りが得られるというわけです。
中医学では、これを陰陽のバランスという角度から説明しています。
昼は体温を上昇させ活発に活動する「陽」、夜は体温が低下して落ち着いた「陰」の状態になることが健康維持には大切だとしています。
例えば、眠りが浅く、疲れがなかなか取れない人には、朝にエネルギーを補い体の代謝を活発にする衛益顆粒(えいえきかりゅう)を、寝る前には興奮による熱を取り去る酸棗仁湯錠(さんそうにんとうじょう)を服用して、陰陽のバランスを整えていくこともあります。
梅雨時期に悪化する疲労感
とくに梅雨の時期に疲労感が増す、という方は湿邪の影響を強く受けている場合があります。
中医学の考えに『自然界には、風・暑・火・湿・燥・寒の六つの気が存在する』とあり、これらが病気の原因に変化した場合それぞれを『風邪・暑邪・火邪・湿邪・燥邪・寒邪』といいます。
太平洋上の水蒸気が混じった高気圧にすっぽりと包まれる日本列島では、梅雨時期と夏に湿気が大量発生します。
健康な状態であれば、この気候に耐えられるのですが、何かしらの原因で弱っている場合、この自然界の湿の影響を強く受けてしまうというわけです。
中医学の基礎理論である五行論では、湿に関連する臓腑は、脾と胃です。
中医学でいう脾(ひ)とは、消化器系の機能を司るところ、また血液の運行をコントロールし、全身の肌・肉・筋肉・血管を養う働きを担っています。
湿邪の影響を受け、脾の機能が低下すると以下のような症状が表れます。
* 食欲不振
* 胃がもたれる
* 頭重・頭痛
* 体が重だるい
* むくみ・浮腫
* 便がねっとりとする
* 口内炎ができる
* 口臭がある
予防にはこんにゃく・サクランボ・ニンニク・紫蘇・ハスの葉などの水分代謝を促す食品を積極的に食べることをお勧めします。
漢方薬では、勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)が良いでしょう。胃腸を整え、水分代謝を促進するはたらきがあります。
他に温胆湯(うんたんとう)や晶三仙(しょうさんせん)が適している場合もあります。
その方それぞれの体質や状態、状況によって合う漢方薬が違ってきます。漢方薬を服用の際には、是非、当店の専門スタッフにご相談ください。
夏に悪化する疲労感
先述のとおり、日本の夏は高温多湿という気候です。
湿に加えて、夏には暑がやってきます。病気の原因になると『湿邪』と『暑邪』です。
暑い日差しの下、高校球児たちの汗まみれの姿は見ていると清々しいものです。
汗で失った水分とミネラルは、素早く補給しなければならないということは今や常識ですが、中医学ではもうひとつ気(=生命エネルギー)も補う必要があるとしています。
というのも、気というものは汗と一緒に流れて消耗してしまうからです。
気を補うためには、単純にカロリーの高いものを食べれば良いというものではなく、バランスが大切となってきます。栄養バランスの良い食事が理想的ですが、暑さと湿気で食欲は落ち、栄養バランスも崩れがちです。
そこで、食べものの性質を知っておくと、効率良く自然環境に対応できるのではないでしょうか。
もちろん、食生活で追いつかない場合には漢方薬が強力な助けとなってくれます。まずは以下を参考にしてみてください。
【余分な水分を排出する食べもの】
★体を冷やすもの
・はまぐり ・シジミ ・セリ ・レタス ・なす ・きゅうり
★体を冷やさないもの
・鯉 ・とうもろこし ・ハトムギ茶 ・りんご ・もち米 ・大豆 ・スズキ
【胃腸を丈夫にする】
・山芋 ・イチジク ・人参 ・大根 ・生姜 ・ニラ ・キャベツ
【気を補う】
・かつお ・タコ ・ブリ ・さば ・タイ ・栗 ・胡桃 ・葡萄 ・桃
生活ポイント!
* 生で食べることはしない
* アルコール類を控える
* 油脂の多いものを控える
(天ぷら・揚げ物・ナッツ類など)
* 清涼飲料水を避ける
* 香辛料を控える
* アイスなど冷たい飲食を控える
* 食物繊維の多い食べ物を控える
(ごぼう・レンコン・筍など)
* 朝は早めに起床すること
* エアコンに頼りすぎないこと
ティータイムには
★温かいはと麦茶がオススメです★
不安なこと、お困りのこと、何でもお気軽に金沢薬局にご相談ください☆
ご来店、お待ちしております。