生活習慣

予防に勝る治療無し

投稿日:2017年6月24日 更新日:

中医学(漢方医学)は、予防医学ともいわれています。

【未病先防(みびょうせんぼう)】、病気になるまえにその芽をつんでおこう、病気になってからでは遅すぎる、という考え方です。

例えば、季節の変わり目にはインフルエンザのニュースが毎日のように報道されますね。 最近では治療薬も開発されていますが、副作用も報告されています。やはり治療よりも予防を心掛けることが重要です。

感染症の予防の基本は、先ずは人の集まるところに安易に行かないことです。特に病院は病人の集まる所ですから行かないにこしたことはありません。しかし、どうしても診察・治療を受けなくてはならない場合は、手洗いとうがいだけは必ずしてください。

ノドの粘膜に少量のウイルスが附着した時点で、すぐに板藍根(ばんらんこん)でのうがいをオススメしています。外出先などで、うがいができない場合は、のど飴タイプのものもあります。また、ウイルスは空気が乾燥していると飛び散りやすく伝染しやすいので加湿器を使うのもオススメです。

以上はインフルエンザの場合ですが、未病先防の心得は他の病気にも通じます。

がん、糖尿病、心・血管疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患、肝疾患、膵疾患、腎疾患に代表される生活習慣病は、その名のとおり良くない生活習慣がもとで大病に至るケースがほとんどなので、予防医学で十分対応できるというわけです。

それでは例として、糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満について、中医学ではどのように対応していくかご紹介します。

 

糖尿病~とうにょうびょう~  糖尿病~とうにょうびょう~

参考ガイドライン(指標)

 空腹時血糖 ≧ 126mg/dL

 随時血糖値 ≧ 200mg/dL

 75gブドウ糖負荷試験での2時間値 ≧ 200mg/dL
(※ブトウ糖を飲みながら経過を調べる試験)

 HbA1c ≧ 6.5%
(※過去1~2ヶ月の血糖値)

 

糖尿病は進行過程によって症状も変わりますので、3つの期にわけて考えます。

糖尿病とうにょうびょう

 

糖尿病は、糖代謝の異常によって起こるもので、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高まることによって、放っておくと 心筋梗塞・脳障害・高血圧・末梢神経障害・糖尿病性網膜症・腎症(透析に至る)などの合併症をきたす危険性のある病気です。

自覚症状がない場合でも確実に進行・発症します。

中医学では糖尿病は気陰両虚お血(おけつ)が基本にあると考えます。ひとりひとりの体質や進行過程に応じて漢方薬を組み合わせ、養生方法も併せて対応します。

 

 

脂質異常症~ししついじょうしょう~(高脂血症)  脂質異常症~ししついじょうしょう~(高脂血症)

参考ガイドライン(指標)

 悪玉(LDL)コレステロール ≧ 140mg/dl
 善玉(HDL)コレステロール ≦ 40mg/dl
 中性脂肪(トリグリセライド) ≧ 150mg/dl
(※空腹時採血)

2007年7月に高脂血症は「脂質異常症(ししついじょうしょう/dyslipidemia)」に改名されました。

脂質異常症は、血液中に含まれる悪玉コレステロールが多すぎる、または善玉コレステロールが少なすぎる、中性脂肪(トリグリセライド)が多すぎる状態のことです。

増えすぎた悪玉コレステロールは、動脈血管の内側にプラークを作って血流を悪くします。結果、血の流れが詰まってしまい、最悪の場合、血管を破裂させます。

中医学では、お血(おけつ)が原因と考えます。

健康血管 手足が冷える
 顔や唇の色が暗い
 しみ・そばかすが多い
 黒っぽい便が出る
 慢性的な肩こりがある

方は、是非一度ご相談ください。

 

 

肥満~ひまん~  肥満~ひまん~

メタボリック症候群  参考ガイドライン(指標)

 へそまわり
男性≧85cm / 女性≧90cm

に加えて
下記いずれか2つ以上
併せ持った状態。

【血圧】
 収縮期血圧(最高血圧) ≧ 130mmHg
 拡張期血圧(最低血圧) ≧ 85mmHg
(いずれか、または両方)

【脂質】
 高トリグリセライド血症 ≧ 150mg/dL
 低HDLコレステロール血症 < 40mg/dL
(いずれか、または両方)

【血糖値】
 空腹時血糖値 ≧ 110mg/dL

 

肥満肥満は大きく2つに分けて考えられます。

1つめは”過剰な栄養摂取によるもの”で、この場合は食事のコントロールが必要となってきます。2つめは”代謝が悪く体内に老廃物が蓄積しているもの”です。食事の量をコントロールしても結果がでないという方は後者に該当すると言えます。

中医学では、まずその方の体質を見極め、個別に対応策を講じます。大方、4タイプに分かれます。

 

気虚ききょタイプ 下腹部がぽっこり
 下半身太りでおしりが下がっている
 体脂肪が多い

あんまり食べないのに太る方に多いタイプ。太るから食べない、食べないから”気”が足りなくなる、という悪循環にはまっています。食べないので疲れやすく、気力・体力・筋力がつきません。代謝が悪く、おしりが下がり体のラインを支えきれないのは筋肉がないからです。

”気”は朝に作られます。早寝早起きを心がけ睡眠はたっぷりととりましょう。また「食べない」のは逆効果。体を温める食物をとりましょう。ストレッチやウォーキングなどの軽い運動や呼吸を整える太極拳やヨガがオススメ!

 

 

気滞きたいタイプ むくみやすい
 おなかを中心に太っている
 10キロ程の体重変動はよくある

食べ物の好き・嫌いが激しく、食事の時間だけでなく生活リズムが不規則ではありませんか?精神バランスの崩れから”気”が滞ってしまい、水分代謝が悪くなりむくんでいます。ストレスが、拒食や過食といったカタチで現れることが多いのが特徴です。

まずはストレスを上手に解消しましょう!仲の良い友達とお茶をしたり映画に行ったり公園で散歩したり・・・。そして何事も楽観的にポジティブシンキングが大切です。我慢をするダイエットは厳禁!ストレッチをしたり、ちょっと運動量の多いスポーツで汗を流すと気の流れも良くなりますよ♪

 

 

湿熱しつねつタイプ がっちり体型で固太り
 胸板が厚く腕が太い
 体脂肪率が高い

早食いで大食い、食べると汗をかく、がっちりした体型で冷たいもの・甘いもの・脂っこいものが好みのあなたは、にきびや吹き出物にも悩まされていませんか?熱により興奮しやすくなっているので、必要以上に食欲旺盛で、また熱を冷ます為冷たいものが欲しくなります。基礎代謝が落ちていて、体内に余分な水分が溜まっている状態です。

まずは「食べたものを出す」習慣をつけます。体内の余分な水分を排出するには、快便はもちろん、水泳やヨガなどでじっくりと発散する必要があります。また食事は少量を数回に分けたり、ゆっくりと噛んで時間をかけて食べると良いでしょう。

 

 

おけつタイプ 着やせするタイプ
 全体的にまんべんなく太っている
 内臓脂肪が多い

食生活に特に問題はありません。血のめぐりが悪くなっているので、顔のくすみやしみ・そばかすも悩みの種です。体は冷えやすく、血中脂肪が多くなり内臓脂肪や皮下脂肪がつきやすくなっている状態です。おけつは万病のもとですので、ダイエットとともに体質を改善しましょう。

女性の方は特に生理期間は体を冷やさないように注意しましょう。冷たいものは飲み食いしない、薄着はしない、クーラーの効いた部屋に長時間いない、また激しい運動は控える、細かな気配りが健やかの秘訣です。また、血のめぐりを良くするにんにくやらっきょうなどを積極的に摂りましょう。

 

 

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中医学の考え方、現代医学と併用して中医学を活用する方法など、ご参考いただければ嬉しいです。

 

 

 

 

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