掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)ってどんな疾患?
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、難治性といわれる皮フ病のひとつで、多くは手の平や足の裏に無菌性の膿疱(のうほう:ウミがたまった水疱)ができる皮疹です。
良くなったり、悪くなったり、を繰り返します。
出始めはかゆくなり、赤い発疹 → 膿疱、白 → 黄色、または突然膿疱が現れることもあります。
膿疱は次第に乾燥して、かさぶたになり、はげ落ちます。そしてまた膿疱ができて、、、と繰り返します。人によっては関節の痛みを伴うこともあります。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の膿疱は無菌性なので、他に感染することはないのですが、自分で無理につぶすとつぶしたところから雑菌が入ることもあります。つぶしても治りませんので、つぶさない方が良いです。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の原因と治療法は?
扁桃腺、鼻、歯の慢性炎症が原因で掌蹠膿疱症が発症することもあります。扁桃腺が疑わしい場合は、扁桃腺摘出という方法も考えられるでしょう。
また、パラジウムなどの歯科金属の影響で発症することもあります。金属アレルギー検査をして陽性なら歯科金属をアレルギーの起こらないものに取り換える方法もあります。
ただ、これらは掌蹠膿疱症の方の3割程度で、7割の方は原因不明といわれています。原因不明のものについて医療機関では対処療法がとられると思います。
掌蹠膿疱症自体はウイルスや菌が関係していないので、抗生剤や殺菌剤ではなく、一般的には炎症をおさえる薬(ステロイド剤やビタミンD3など)が使われています。また、免疫が関係しているとの見方から、ネオーラルなどの免疫抑制剤が使われることもあります。なかなか改善しない場合は、紫外線療法やビタミンA誘導体(エトレチナートなど)なども取り入れられているようです。
それから、ビオチン不足かも?との見方から、ビオチン投与を行うところもあるようです。
掌蹠膿疱症は、漢方薬も含め色々な治療方法がありますから、しっかりと調べて納得できる方法を試されることをおすすめします。
中医学でみる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
中医学(漢方薬)では、今ある症状に対応すること、と、原因に対応すること、を同時に行っていきます。
まず、今ある症状は、経過によってジュクジュクした水疱だったり、カサカサした皮疹だったりするので、その時の状態にあう外用薬と漢方薬を適応していきます。
次に根本的な対応についてですが、中医学では、掌蹠膿疱症を引き起こすそもそものきっかけには、肺と腎が関係していると考えています。
掌蹠膿疱症は、手の平と足の裏に発現しますね。
ここは、経絡では肺の位置です。皮フ自体、五臓では肺とつながっています。
また、関節痛など、骨に影響を及ぼします。骨は腎です。慢性化して治りにくいのも腎の機能低下が考えられます。
赤く熱をもち(炎症)膿む・・・これはよくある陰虚(いんきょ)のパターンです。
総じて、肺腎陰虚(はいじんいんきょ)の対策をする、となります。
それから、ビオチン不足が原因の掌蹠膿疱症は、そもそもは、腸内で作られるはずのものが作られないからですね。
肺と脾(胃腸系)は相生関係にありますから、脾が弱くなっている可能性があり、この場合、いくらビオチンを摂っても吸収されるのかも微妙です。
そこで、脾を強くして、腸内細菌に正常に働いてもらいビオチンを作ってもらえるようにして、肺=皮フも正常にする、といった方法がベストだと思います。
漢方で根治めざしましょう!
対策方針としては「清熱利湿」「解毒涼血」です。
膿疱期の炎症を鎮めるには清熱解毒作用のある漢方薬、オリエンタルハーブを、カサカサ期には、補血・養血作用のある漢方薬やオリエンタルハーブを、その方にあった漢方薬やオリエンタルハーブでお一人お一人にあった対応をしていきます。
尚、漢方薬を飲むだけでなく、食生活や生活習慣でも対応していかないといけません。
甘いものや脂っこいものはダメです。またお酒やタバコも良くありません。冷たい飲食も控えて、寝不足・過労・ストレス対策もしなくてはいけません。
気をつけて頂きたい事が色々とありますが、掌蹠膿疱症をいつまでもいつまでも繰り返さないよう、しっかりと腰を据えてがんばっていきましょう!!
★漢方薬は医薬品です★
服用の際はどうぞお気軽に当店専門スタッフにご相談ください。
ご来店、お待ちしております。