店主の闘病日記

検査数値から読み解く

投稿日:2017年6月24日 更新日:

霊芝胞子のおはなし

尿管腫瘍腎不全・心不全(BNP › 4000)で入院した金沢薬局の店主、金沢隆の闘病生活も5年目に入りました。

通院、漢方薬、生活養生で平常の生活を続ける店主の様子を引き続き、お伝えしていきたいと思います。

まずは2013年2月から2014年7月までの検査値です。

★それ以前の検査値の推移はコチラをご参考ください★

 

2013年2月~2014年7月、検査値の推移  2013年2月~2014年7月、検査値の推移

 

  CRE
クレアチニン
BUN
尿素窒素
K
カリウム
UP
尿たんぱく
2013/2/7 5.44 38.4 4 (+)
2013/3/7 5.13 46.3 4.7 (2+)
2013/4/5 6.08 48.6 3.6 (+)
2013/5/1 6.25 47.8 4 (+)
2013/5/29 6.07 52.1 4
2013/6/26 5.93 62.9 3.9
2013/7/24 6.1 59.4 4.1 (+)
2013/8/21 6.65 53.9 4.5 (+)
2013/9/18 6.17 51.8 4.2 (+)
2013/10/16 6 40.7 3.8 (+)
2013/11/11 6.2 57.3 4.5 (+)
2013/12/9 6.31 62.5 3.6 (+)
2014/1/10 7.22 65.9   (+)
2014/2/7 5.92 42.3 3.6 (2+)
2014/3/7 5.75 42.5   (+)
2014/4/4 6.31 48.6   (+)
2014/5/2 5.87 36.8   (+)
2014/6/6 7.12 59.2   (+)
2014/6/20 6.82 51.7   (+)
2014/7/25 5.68 50.8   (+)

 

CREクレアチニン
クレアチニンは微量ですが体内で生成され、主に無酸素運動などで消費されるアミノ酸で、代謝された後の老廃物は腎臓でろ過され、尿として排出される仕組みになっています。何らかの原因でこの排出作業が正常に行われない場合、血中のクレアチニン濃度が高くなります。つまり血清中クレアチニン濃度が高いということは腎臓機能が正常に働いていないことを示します。
(尿でも測定でき、尿中クレアチニン測定検査といいます)

★基準値★    0.30~1.10

BUN尿素窒素
尿素窒素は、エネルギー(タンパク質)を燃焼したあとの有毒なアンモニアを無毒化する為に、二酸化炭素と結びついた結果できるもので、肝臓で合成され、腎臓でろ過されて尿として排出されます。タンパク質のとり過ぎ、脱水症、甲状腺機能亢進症、腎不全、悪性腫瘍などで尿素窒素の値は高くなります。タンパク質の不足、肝障害、肝不全の場合は逆に尿素窒素の値が低くなります。

★基準値★    9.6~20.1

Kカリウム
カリウムは、神経の興奮や心筋の働きをサポートする電解質成分で90%は尿として排出されます。主にナトリウムとコンビを組んで、イオンバランスの調整を行います。
血液中のカリウムが高くなり尿量が減少すると、腎不全などが疑われます。嘔吐や下痢などによって大量に排出されると血中のカリウムは低くなり、頻尿、呼吸不全症候群、筋力低下、不整脈などが起こりやすくなります。

★基準値★    3.3~4.8

UP尿たんぱく
腎臓は血液を濾過し、体に不要なものを尿として排泄します。たんぱく質は人体に必要なものなので、必要なものが大量に尿として排泄されているという事は、腎臓が正常に機能していない事を意味します。
一日40mg(0.04g)~100mg(0.1g)の尿蛋白は正常値ですが、一日150mg(0.15g)以上の場合は腎炎・ネフローゼ症候群・腎硬化症・糖尿病性腎症・尿路感染症・尿路結石・膀胱炎といった尿管や尿道、膀胱の炎症、結石、腫瘍、妊娠中毒症などが疑われます。

★基準値★    (-)陰性  【一日150mg以下】

※尚、基準値は病院や医療組織などによって異なります。詳しいガイドラインはかかりつけの医師へご相談ください。

 

 

検査数値から読み解く  検査数値から読み解く

ちょっと無理したり、旅行に行ったりすると検査値は悪くなりますが、補腎薬の効果か、生活を規制すると改善する力がまだ腎臓に残っているのかなと感じさせられます。

カリウム値は、Drも安定しているので測っていません。

検査数値は、漢方薬を選択するうえでも大切な指標になります。

2014年6月の検査数値があまり良くなかったので、6月の検査以降「杞菊地黄丸(蝋皮丸)」を一日2個服用するようにしました。すると、2014年7月のような数値になりました。

闘病生活も5年目に入りますが、金沢隆はとても元気に過ごしています。

 

 

杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)  杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

杞菊地黄丸は、六味地黄丸(ろくみじおうがん)という処方に、肝の働きを高める枸杞子と菊花を加えた構成です。

六味地黄丸(ろくみじおうがん)には補腎益精(ほじんえきせい:腎の働きを補う)、清熱涼血(せいねつりょうけつ:余分な熱をのぞく)、利水滲湿(りすいしんしつ:余分な水分を体外へ排出)の働きがあります。

肝と腎を同時に補う代表的な補腎薬で、別名『飲む目薬』ともいわれています。

 

【構成生薬】

 熟地黄(じゅくじおう)
【性  味】  微温・甘
【帰  経】  肝・腎
【薬  効】  養血滋陰・補腎填精

 山茱萸(さんしゅゆ)
【性  味】  微温・酸・渋
【帰  経】  肝・腎
【薬  効】  補益肝腎・収斂固渋

 山薬(さんやく)
【性  味】  平・甘
【帰  経】  脾・肺・腎
【薬  効】  益気養陰・補脾肺腎・固精止帯

 沢瀉(たくしゃ)
【性  味】  寒・甘・淡
【帰  経】  腎・膀胱
【薬  効】  利水滲湿・泄熱

 茯苓(ぶくりょう)
【性  味】  平・甘・淡
【帰  経】  心・脾・腎
【薬  効】  利水滲湿・健脾安神

 牡丹皮(ぼたんぴ)
【性  味】  微寒・苦・辛
【帰  経】  心・肝・腎
【薬  効】  清熱涼血・活血散オ・清肝火

 枸杞子(くこし)
【性  味】  平・甘
【帰  経】  肝・腎・肺
【薬  効】  滋補肝腎・養血明目・滋陰潤肺

 菊花(きくか)
【性  味】  微寒・辛・甘・苦
【帰  経】  肺・肝
【薬  効】  疏散風熱・平肝明目

★漢方薬は医薬品です。
服用の際は、金沢薬局の専門スタッフへお気軽にご相談ください。

 

 

 

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